帰国する日本人患者の空港搬送 2010年9月

帰国する日本人患者の空港搬送

 2010年9月

ambulance to planeサイド・バイ・サイド・インターナショナル(SBSI)は、日本に帰国される日本人患者さんの搬送を、 国立クメール・ソビエト病院救急隊と協力して、実施しました。民間国際救急専門会社リーベン からの依頼です。SBSIのカンボジア事務所の西口三千恵所長補佐らがご自宅からの搬送経路や時間、救急車の空港進入許可にいたるまで、搬送に関する手配 を整え、国立病院救急隊も、日本から寄贈された救急車を使用して患者さんのために安全かつ順調に搬送したことで、リーベンの佐藤国際救命士から良い評価を いただきました。国によっては、救急車に何も装備されておらず、訓練された人材もおらず、搬送が困難な場合もあるとのことで、カンボジア救急隊のレベルの 高さに驚かれていました。

 (上)プノンペン空港で救急車から機内に搬送

国立クメール・ソビエト友好病院の救急隊は、通常、24patient home時間体制で、プノンペン市民のための救急出動を行っています。日本による訓練指導や救急車寄贈を受けていることから、今回の日本人搬送に喜んで協力してくれました。

また、リーベン社からは、除細動器1台をご寄贈いただきました。カンボジアでは、非常に貴重です。ありがとうございました

 (右)患者さんのご自宅から搬送開始  

 動画はこちら からご覧ください

救われた命–グラフィス診療所と救急車の活躍!

搬送準備OK!

サイド・バイ・サイド・インターナショナル日本本部の佐々木理事長らが、グラフィス診療所を訪問していた時に、頭部外傷の50代の女性が家族によって運ばれてきました。かなり重傷でした。

ご家族の話では、その人はご家族と共にこの近くにある滝で遊んでいましたが、足をすべらせて岩に転落し、そのまま100メートルかそれ以上流されてから、やっと家族が川から引き上げることができたそうです。その川は岩だらけで、大雨が降った事から激流となっていました。

女性の頭皮は何カ所も裂け、5センチ×9センチの大きさの裂傷もありました。 診療所に到着するまでに、既にかなり大量の出血をしたようです。

診 療所では、カンボジア人医師と看護師、カンボジア人スタッフが、同診療所の代表であるピーター・リー博士や佐々木理事長立ち会いの下、容態を安定させるべ く、懸命に緊急措置を行った後で、サイド・バイ・サイド・インターナショナルのカンボジア事務所のフン職員がグラフィス救急車を運転し、プノンペン市の国 立カルメット病院に患者とその家族を搬送しました。医師と共に、佐々木理事長も、運転助手として同行しました。患者は、カルメット病院で緊急手術を受けた 後、現在、ベトナムの病院に入院中です。

もしもそこに診療所がなかったら・・・  もしも救急車がなかったら・・・

もしも国道からの道が大雨で通れなかったら・・・   その女性の命は失われていたでしょう。

以下は、その女性のご家族からのメールからの引用です。

「2010年9月5日に、頭を負傷した私のおばの命を救って下さった、あなたとあなたのスタッフに感謝申し上げます。

あ なたのスタッフは、一人の命を救うために、私が言葉で言い尽くせないほど懸命に努力して下さいました。あの日、対応してくださったあなたのチームを決して 忘れることはないでしょう。彼らは、本当に素晴らしくやってくれた上、救急車でカルメット病院までおばと私たちを搬送して下さったのです。 現在、おばはベトナムの病院に滞在しており、日に日に良くなってきています。おばが回復すると私は信じています。体調が良ければ、1週間、またはそれ以上かかるかもしれませんが。

おばの容態については、皆さんにも、引き続きご連絡いたします。」

グラフィス診療所完成のために、多大な貢献をしてくださった日本の学生医療支援NGO団体グラフィス 、大阪の国際ロータリー 2660 地区 、台湾のフォルモサ・チャリティ・グループ永福ロータリー・クラブ 、米国のファミリーケア財団東京渋谷ロータリークラブ 、その他の大勢のドナーやボランティアの皆さんに心からお礼を申し上げます。グラフィスは、診療所建設のオリジナルドナーであるほか、国道4号線から診療所への道(グラフィスロード)を整備、さらにグラフィス救急車の支援も行っています。

皆さんのご貢献は、カンボジアの貴い命を救っています。そして、毎日、患者さんが、50人以上訪れているのです。中には、遠くの州からやって来る患者さんもいます。

グラフィス診療所のスタッフは、毎日忙しい日々を送っています。

グラフィス診療所では、海外からの医療従事者のボランティアも受け入れています。ご興味のある方は、CDEP またはサイド・バイ・サイド・インターナショナルにお問い合せ下さい。

サイド・バイ・サイド・インターナショナルは、グラフィス診療所を運営するCDEP とパートナーシップを組み、同診療所を支援しています。